Amazonに出店する価値について

Amazonやその他のオンラインマーケットプレイスは、一見すると相互に利益があるように見えます。Eコマースストアにとっては露出を得られ、マーケットプレイスにとっては在庫を増やすことなく商品を増やすことができます。

しかし、掘り下げて考察してみると、相互利益は存在しつつも、現実は少し異なります。限られたブランディングの機会、顧客データの欠如、追加の手数料などが、Amazonでの販売のデメリットとして浮かびあがってきます。

オンラインストアだけでなく、Amazonでも商品を販売すべきでしょうか？

それは状況によります。マーケットプレイス戦略は、ある小売業者にとっては利益をもたらし、他の業者にとっては失策となる場合があります。販売する商品の種類、カテゴリ内の競争、制限など、考慮すべきことは多くあります。

しかし、すべての人に当てはまるいくつかのメリットとデメリットがあります。Amazonでの販売のメリットとデメリットを見てみましょう。そうすれば、それが価値があるかどうかを判断できます。

Amazonの販売者はどれくらい稼いでいるのか？

Jungle Scoutの示したデータによると、Amazonの販売者の半数（50%）が月に少なくとも1,000ドル（約15万円）の売上を上げています。中には月に10万ドル（約1500万円）以上を稼ぐスーパーセラーもいます。月間売上を知らない販売者はわずか3%でした。

オンラインビジネスでの起業家の収入は、ビジネスに費やす時間、ソーシャルメディアでの商品のマーケティング方法、平均利益率など、多くの要因によって異なります。

Amazonで販売する際には、フルフィルメント方法も考慮する必要があります。Jungle Scoutによると、Amazonのサードパーティ販売者の89%がFBAを利用しています。これらの販売者は、月に数百ドル（数万円）から6桁以上（数千万円）の売上を上げています。

Amazonでの販売は実際に利益が出るのか？

収益を上げることは素晴らしいですが、重要なのは利益率です。中小企業の65%が10%の利益率以上を達成しています。中小企業の32%は20%の利益率以上を持っています。

利益率は、販売する商品の種類やそれをどのように調達するかによって大きく異なります。初心者の販売者であれば、Amazonで販売する最も利益の高い商品や、どの卸業者や製造業者が最適かを調査してください。

Jungle Scoutの2022年のレポートによると、利益率が最も高い5つの商品カテゴリは次の通りです。

さらに、Amazonで新しい商品を販売する際には、利益率に影響を与えるいくつかの要因を考慮してください。

• スタートアップのコスト： 個人プランは販売単位ごとに99セント（約150円）、プロフェッショナルプランは月39.99ドル（約6300円）です。
• 紹介手数料： Amazonはマーケットプレイスを利用するために、各販売の一定割合を徴収します。割合は商品カテゴリによって異なりますが、通常は8%から15%の間です。
• FBA手数料またはフルフィルメント手数料： Amazonが販売する商品の保管や発送を行うための料金で、商品のサイズや重量に基づいています。Amazonセラーセントラルでは、フルフィルメントコストは単位あたり4.75ドル（約750円）から始まるとされています。
• Amazon広告： これは、顧客がAmazonを閲覧している間に商品を見てもらうためのものです。競争が激しい商品を持っている場合、Amazonでの広告は高額になる可能性があります。

Amazonマーケットプレイスを利用して商品を販売することで利益を得ることができます。ただし、Eコマースビジネスの種類（または始めたいビジネスの種類）によっては、eBayやEtsyなどのAmazonの競合プラットフォームの方がより利益が得られるかもしれません。

Amazonでの販売のメリットとデメリット

メリット

1. 高トラフィックチャネルからの売上増加

Amazonなどのマーケットプレイスで販売する主な魅力は、そのオンラインプレゼンスの規模です。Amazonは毎月24億回のデスクトップとモバイルの訪問を集めています。これは多くの目を引くことができ、売上の増加に繋がります。

2. 新しい顧客の獲得

誰もがAmazonを訪れてあなたのストアを探しているわけではありません。しかし、あなたの商品を探しているかもしれません。これは、他の場所では見つけられなかった商品や、競合から購入していたかもしれない商品です。

一度顧客があなたのところに来れば、たとえマーケットプレイスを通じてでも、優れたサービスとフルフィルメントを通じてリピートビジネスを獲得するチャンスがあります。これは、趣味用品や釣り具など、頻繁にリピート購入が促されるカテゴリの商品を販売している場合に特に当てはまります。

3. 多くの人々がマーケットプレイスでのショッピングを好む

マーケットプレイスは数の力が重要です。これはオンラインマーケットプレイスだけでなく、農産物市場、ショッピングモール、フードトレーラーパークなどの現実の例にも当てはまります。

マーケットプレイスの多様性とオールインワンの特性は、そのようなショッピング体験を好む多くの顧客を引き寄せることができます。オンラインマーケットプレイスは、シングルストリームのチェックアウトとフルフィルメントサポートを提供し、シームレスな購入体験を作り出します。

デメリット

マーケットプレイスでの販売にはいくつかの重要なメリットがありますが、考慮すべきデメリットもあります。

1. マーケットプレイス手数料

マーケットプレイスに出店することで売上を増やすことができる一方で、マーケットプレイス手数料が発生します。

ほとんどのマーケットプレイス手数料は各販売の一定割合として差し引かれ、サイトやカテゴリによって異なる場合があります。

特に商品が高度にコモディティ化され、利益率が低いカテゴリでは、採算が合わないことがあります。

マーケットプレイスで商品を販売する前に、利益率をしっかり把握し、マーケットプレイスの手数料構造を理解しておくことが重要です。

2. 限られたコントロール

マーケットプレイスのインフラには多くのメリットがありますが、それが逆に働くこともあることを忘れないでください。マーケットプレイスはあなたを助けるために存在するのではなく、自分たちの利益のために存在します。

彼らは商品に焦点を当てたいと考えており、販売者に対しては制限を設けることがあります。つまり、あなたの存在をブランディングしたり、顧客とコミュニケーションを取ったり、販売できる商品を制御したりすることが制限される可能性があります。

さらに、マーケットプレイスのオーナー（AmazonやSearsなど）がサードパーティの販売者を介さずに人気のある商品を特定し、在庫を持つことを妨げるものはありません。

3. 在庫の同期管理

マーケットプレイスは第二の販売ポイントです。そして、時にはショッピングカートと連携できないこともあります。実際には、両方が同じ在庫を引き下ろしますが、互いに同期しないため、手動での調整なしには在庫レベルを理解するのが難しくなります。

Amazon FBAで販売できるもの

Amazon FBAビジネス、FBM、またはSFPを持っている場合、商品をAmazon商品としてリストするために満たすべき制限や要件があります。

承認が必要な例には、以下が含まれます。

• コレクターコイン
• 美術品
• 音楽やDVD
• 時計
• 電動モビリティデバイス

承認が不要な商品には、以下が含まれます。

• 書籍
• 美容商品
• 楽器
• アウトドア用品
• ビデオゲーム

Amazonの販売ガイドラインの詳細については、Amazonセラーセントラルをご覧ください。

Amazonでの販売方法を学ぶ

Amazonでの販売を始めることは大変な労力が必要だと感じるかもしれません。現在のAmazon販売者の35%が、実践を重ねる必要があると認めており、24%はAmazonの販売プラットフォームの仕組みに混乱しています。

以下は、Amazonで販売するためのヒントです。

販売したいものを決める

商品需要を調査することは、販売するべきものを決定するための最初のステップの1つです。現在のトレンドや市場のニーズを把握するために、以下を行ってください。

• Amazonのベストセラーリストをチェックする。
• キーワードリサーチツールを使用して商品の検索ボリュームを確認する。
• Amazonのレビューを読む。

また、使用したいビジネスモデルを決定することも重要です。以下は、Amazonで販売する際によく使われるビジネスモデルのリストです。

• リテールアービトラージ： 価値以下で商品を購入し（通常は卸売）、より高く販売して差額から利益を得る。
• ホワイトラベル販売： ジェネリック商品（例えば、水筒やコーヒーカップ）を購入し、ブランド名やロゴ、デザインを施してプレミアム価格で販売する。
• プライベートラベルの販売： サードパーティの製造業者を利用してブランド商品を作成する。多くのスーパーマーケットがこれを行っています。例えば、Krogerは独自のプライベートラベル商品（Simple Truth）を持ち、WalmartはGreat Value、CostcoはKirklandを持っています。
• アフィリエイトマーケティング： 商品を観客に宣伝することで収益を上げる（通常はソーシャルメディア上で）。何も作成せず、在庫も持たず、他社の商品を宣伝して、その結果生じた売上の一部を得る。
• ドロップシッピング： 中間業者として機能する。在庫を手元に持たず、必要に応じてサードパーティの製造業者や卸売業者から在庫を購入して注文を履行する。
• 自分の商品を販売： 自分で作成した商品を販売する。

Amazonでの販売コストを理解する

Amazonの3億のアクティブな顧客アカウントに、無料でアプローチできるわけではありません。Amazonマーケットプレイスを利用して商品を販売する際に、いくつかの手数料やコストがかかります。

販売したい商品の紹介手数料、クロージング手数料、FBA手数料、保管手数料を把握しておくことが重要です。Amazonには2つの異なる販売者プランがあります。どちらがビジネスニーズに最適かを確認してください。

• 個人プラン： 従量課金プラン。販売ごとに料金が発生します。月に40アイテム未満を販売する小規模ビジネスに最適です。
• プロフェッショナルプラン： 月39.99ドル（約6300円）のサブスクリプションコストがあります。月に40アイテム以上を販売するビジネスに最適です。

適切なプランを選択したら、指示に従ってAmazonの販売者アカウントを作成し、アカウントの承認を待ちます。

Amazonセラーセントラルの使い方を学ぶ

Amazonセラーセントラルは、Amazonで商品を販売するために使用するインターフェースです。使い方に慣れ、インターフェースに含まれるリソース（販売パートナーブログやセラー大学など）を活用してください。

フルフィルメントオプションを理解する

Amazonには3つのフルフィルメントオプションがあります：FBA、FBM、SFP。それぞれにAmazonで販売する際のメリットとデメリットがあります。

• FBA（Fulfillment by Amazon）： Amazonが商品の保管、発送、顧客サービスを担当します。FBAを利用すると、すべての在庫がAmazonの倉庫に保管され、Amazonのフルフィルメントセンターが注文を処理、梱包、発送します。
• FBM（Fulfillment by Merchant）： 自分で在庫、保管、注文のフルフィルメント、発送を行います。このフルフィルメントオプションは、少量の在庫を持ち、社内で顧客サービスを提供でき、スムーズな物流運営が可能な場合に最適です。
• SFP（Seller-Fulfilled Prime）： SFPでは、販売者が自分のリソースや外部リソースを使用して自分の注文を履行できます。プライムセラーになるためには申請が必要です。

魅力的なAmazonリスティングを書く方法を知る

Amazonでの商品リストの基本を理解してください。商品詳細ページは、あなたの商品をアピールする場所です。含める情報は、購入を促すものです。

最低限必要なものは以下のとおりです。

• ターゲットを絞った商品タイトル
• 明確な商品画像
• 簡潔な箇条書き
• 魅力的な商品説明

商品を販売するための6つのヒント

1. 商品リサーチツールで需要を検証する。 Jungle ScoutなどのAmazonセラーソフトウェアを使用して、商品に需要があるかどうかを理解できます。
2. 顧客に商品レビューを書いてもらうよう促す。 2022年の消費者トレンドレポートによると、61%の消費者が最高評価の商品やレビューに影響を受けると報告しています。
3. ライトニングディールを実施する。 ライトニングディールは、Amazonのディールページでのフラッシュセールであり、最も人気のあるページの1つです。ライトニングディールを利用することで、より多くのユニットを迅速に販売でき、より多くのレビューを得ることができます。
4. Shopifyで商品をクロスセルする。 ShopifyのAmazon販売チャネルを利用すると、世界最大のマーケットプレイスで商品をリストできます。Shopifyを使用すると、販売者はAmazon商品リスティングを直接作成し、両方の販売チャネルで在庫を同期し、Amazonの注文を履行し、両方のチャネルからの売上を追跡できます。
5. 商品リスティングのバイボックスを獲得する。 Amazonがオンラインマーケットプレイスであるため、他のサードパーティの販売者と競争して1位を獲得する必要があるかもしれません。バイボックス、またはAmazonの特集オファーは、新しい商品に検索結果ページでの追加の可視性を提供します。
6. 価格設定を適切に行う。 価格によっては、Amazonが価格が高すぎる場合、結果の順位を下げることがあります。競争力のある価格で健康的な利益率を維持するよう努めてください。

Amazonマーケットプレイスで販売するために必要なもの

資金

選択するビジネスモデルと販売したい商品の種類によって、Amazonビジネスを始めるために必要な資金が決まります。しかし、心配は不要です。ほとんどのAmazon販売者はローンを組むことなく、比較的小さな予算から始めています。

2022年のJungle Scoutのレポートによると、69%のAmazon販売者は約5,000ドル（約80万円）以下でスタートしています。非常に限られた予算で運営している場合は、リテールアービトラージビジネスモデルを使用するか、卸売ビジネスを始めることを検討してください。

時間

ビジネスにどれだけの時間を費やすかを決定してください。フルタイムの事業ですか、それとも副業として行うものですか？

例えば、ビジネスがすべての時間を占めることを望まない場合は、FBAフルフィルメント方法を使用してください。FBAはすべての物流や顧客サービスの問題を処理するため、ビジネスを運営するのに週に約10時間しかかからない可能性があります。現在の販売者の43%がAmazonでFBAメソッドを利用しています。

また、利益を見ずにどれだけの期間ビジネスを続けるかを知っておくことも重要です。財政に合った現実的なタイムフレームを調査し、計画を立ててください。良いニュースは、63%の販売者がAmazonビジネスを立ち上げてから1年以内に利益を見たと報告しており、20%は3ヶ月未満で利益を得たと言っています。

注意： 独自のブランドを立ち上げようとしている場合、利益を得るまでに少し時間がかかる傾向があります。Amazon販売者の22%が3ヶ月から6ヶ月かかったと答え、10%は1年から2年かかったと述べています。

必要な書類

販売者プランにサインアップする前に、必要な書類をすべて揃えておくことを確認してください。

必要なものは以下のとおりです。

• Amazon Currency Converterがサポートする国に所在する銀行からの銀行口座番号と銀行ルーティング番号。AmazonはクレジットカードやPayPalなどのオンライン決済システムに資金を移動できません。
• ビジネスの住所。これは、ビジネスが登録されている住所で、セラーのプロフィールページに表示されます。
• Amazonが手数料を請求する国際クレジットカード。受け入れられるクレジットカードは、アメリカン・エキスプレス、ダイナーズクラブ、ディスカバー、JCB、マスターカード、Visaです。
• 政府発行の身分証明書
• 税務情報
• 電話番号

分析

常に正しい判断ができるわけではありません。成功したビジネスの重要な要素は、戦略を調整するタイミングと方法を知ることです。そのためには、ビジネス目標を達成するためのメトリックを提供する分析ツールが必要です。

以下は、始めるための4つのツールです（いずれも日本語未対応）。

• Helium 10
• DataHawk
• ManageByStats
• AMZ Tracker

売上の分析メトリックを定期的に確認してください。多くの商品は季節ごとに波があり、商品の画像や説明を変更することで売上に影響を与えることがあります。世界的な出来事も商品のトレンドに影響を与える可能性があります。

自分のオンラインストアを作成し、今すぐAmazonで販売を始めよう

2021年、Amazonはサードパーティの販売者が1030億ドル（約16.1兆円）の売上をAmazonマーケットプレイスで生成したと報告しています。この収益は、Amazonで販売している約200万の異なる販売者アカウントから得られました。

どのマーケットプレイスで販売するかを決定する際は、販売する商品と運営の規模によります。

自分のストアを通じて販売することは、マーケットプレイスを利用して商品を販売することを妨げるものではありません。両方のメリットを享受するために、各マーケットプレイスを1つずつ理解することが賢明です。

多くの成功した販売者は、オンラインで自分のビジネスとブランドを「所有」し、同時にオンラインマーケットプレイスで得られる大量のトラフィックからの露出と売上を獲得しています。