音楽、動画、電子書籍などのデジタルコンテンツが私たちの生活に欠かせない存在となっている現在、急速に拡大しているデジタル市場は個人が才能を活かせる新たなビジネスフィールドとして注目を集めています。
0円起業が可能なデジタルコンテンツ販売は個人でも始めやすく、従来のビジネスとは一線を画する強みがあります。この新しいビジネスは土日副業との相性もぴったりです。デジタルの波に乗り、効率的に副収入を得る準備を始めましょう。
デジタルコンテンツとは?
デジタルコンテンツとは映画、音楽、写真、文章、アニメ、ゲームなど、さまざまな種類のコンテンツをデータの形にしたもののことです。これらの無形商品は、オンラインで繰り返し販売・配布でき、在庫補充の必要もありません。デジタルコンテンツは通常、インターネットを通じてMP3、PDF、動画、プラグイン、テンプレートなどダウンロードやストリーミングが可能なファイル形式で提供されます。
デジタルコンテンツ販売のメリット
- 利益率が高い:初期費用が抑えられ、在庫、配送のコストゼロのため、売り上げの大部分が利益となる
- データが劣化しない:複製が容易で、大量販売ができる
- 販売を自動化できる:人の手を介さず、商品が売れたらすぐにコンテンツを配信できる
- 多様な販売方法に対応できる:無料コンテンツによるメルマガ会員の獲得、有料会員向けコンテンツのサブスクリプション、ライセンス販売など幅広い展開ができる
デジタルコンテンツ販売のデメリットと注意点
- 無料コンテンツと競合する:市場には類似の無料コンテンツが数多く存在するため、収益を上げるには、商品の独自性と価値を明確に示さなければならない
- 著作権侵害が発生しやすい:デジタルデータは簡単に複製できるため、海賊版や不正コピーの被害を受けやすく、製品を保護するためのツールやセキュリティ機能の導入を検討する必要がある
- 販売プラットフォームに制限がある:デジタルコンテンツ販売は、プラットフォームによって制限を受けることがある(例:Facebookではダウンロード販売やサブスクリプションサービスの販売を禁止している)
デジタルコンテンツ販売のプラットフォーム8選
1. Shopify(ショッピファイ)
Shopifyは月額制のECサイト構築サービスです。シンプルで使いやすく、簡単にネットショップを開設できます。デザインの自由度が高く、豊富なアプリと連携できるため、機能の拡張が容易です。デジタルコンテンツの販売は、無料アプリを使って簡単に始めることができます。最大ファイルサイズは5GBで、商品ごとに複数のファイルをアップロードしたり、ダウンロード回数を制限したりすることもできる柔軟性が魅力です。また、越境ECにも対応しており、海外市場への展開もしやすく、多様な決済方法に対応しています。
2. STORES(ストアーズ)
STORESは実店舗とネットショップを一体化できるプラットフォームです。無料でネットショップを開設でき、予約システムやキャッシュレス決済、POSレジなど、必要な機能がそろっています。価格を0円から設定することができるため、デジタルコンテンツの画像サンプルや音楽の試し聴きなどを提供して販売を促進することが可能です。
3. SKIMA(スキマ)
SKIMAはイラスト、デザイン、文章制作などのクリエイティブコンテンツに特化したスキルシェアプラットフォームです。クリエイターはスキルを商品として出品することも、購入者からの依頼を受けることもできます。イラスト依頼ではクリエイターと購入者がチャット形式でコミュニケーションを取ることができるため、細かな要望を確認しながら制作を進めることができます。また、納品後に代金が支払われないといった問題が発生した場合でも、SKIMAが仲介役としてサポートするため、安心して取引を進めることができます。
4. PIXTA(ピクスタ)
PIXTAは日本を拠点とする大手のストックフォトサービスで、写真、イラスト、動画、音楽などのデジタルコンテンツを提供しています。素材の販売には審査が必要ですが、これは販売用素材としての適切性や検索キーワードについて確認するもので、作品の芸術性は審査の対象ではありません。販売中の作品をプロモーションするための「画像PRツール」が用意されています。作品のHTMLタグを自身のウェブサイトやブログに簡単に埋め込んでPRできます。
5. SUZURI byGMOペパボ(スズリ)
SUZURIはTシャツやスマホケースなどデザインをグッズ化して販売できるプラットフォームとして有名ですが、フォントや3Dキャラクターなどさまざまなデジタルコンテンツの販売も可能です。データをアップロードするだけで簡単に商品を作成できるため、お金になる趣味という感覚で気軽にものづくりを楽しむことができます。
6. note(ノート)
noteは特定の記事を販売する「有料記事」、複数の記事をまとめた「マガジン」、月額制で限定コンテンツを提供する「メンバーシップ」、読者からの「投げ銭」システム、「タイムセール」など柔軟な収益化の仕組みを提供しています。「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションに基づき、クリエイターの活動を総合的にサポートしています。文章、画像、音声、動画など、さまざまな形式のコンテンツに対応しています。
7. Udemy(ユーデミー)
Udemyは専門知識をオンライン講座として販売できるグローバルな学習プラットフォームです。講義動画、クイズ、演習問題など、さまざまな形式を組み合わせてコースを作成し、世界中の受講者に提供できます。コース作成のガイドラインが充実しており、直感的なインターフェースを備えているため、初心者でも安心して始められます。Udemyでコースを公開する際に、プラットフォーム利用料は一切かかりません。講座の価格設定も自由で、無料コースも有料コースも制限なく公開できます。
8. Audiostock(オーディオストック)
Audiostockは使いやすく収益につながりやすい音源用のプラットフォームです。3万名を超える音楽クリエイターが活躍しています。販売する際に登録料や年会費はかかりません。販売実績に応じて印税が支払われます。購入者は楽曲の長さや使用楽器で簡単に検索でき、ジャンルや利用シーンでも効率的に絞り込めるため、楽曲を見つけてもらいやすい環境が整っています。楽曲の使用権をライセンス販売できるため、映像、アプリ、ゲームなど、さまざまなメディアで使われる可能性があります。販売価格はクリエイター自身が設定でき、用途に応じて柔軟に変更できます。日本向けに最適化されたサービスなので、著作権の管理や売り上げの確認もわかりやすく、安心して作品を提供できます。
デジタルコンテンツの種類と商品アイデア9選
1. eラーニング、ウェビナー
eラーニングやウェビナーはデジタルコンテンツ販売で収益化しやすい商品です。特にリモートワークの普及と政府のリスキリング支援により、企業と個人からのスキル向上コンテンツへの需要が高まっています。コンテンツ制作は初期に時間を要するものの、一度作成すれば継続的な収益が期待できます。プログラミング、デザイン、ビジネススキルなどの専門コースでは、動画やテキスト、小テスト、インタラクティブな演習を組み合わせることで、受講者の学習意欲を高めることができます。ウェビナーを通して視聴者との信頼関係を深めることができれば、関連するウェビナーやシリーズになったコースの販売にもつながりやすくなります。無料のウェビナーを提供し、その後に特別価格でコースを販売するのも有効です。
2. 電子書籍
電子書籍はKindle UnlimitedやRakutenマガジンなどのサブスクリプションサービスの登場で、読者にとって身近なコンテンツとなりました。電子書籍の強みは一度作成すれば何度でも販売でき、修正が必要な場合はファイルを更新し、再配信できることです。紙の書籍よりもロイヤリティが高く、印刷や在庫管理のコストもかかりません。
3. プリントできるグッズ
購入者が自宅でプリントできるようにさまざまなデータを販売するのも、デジタルコンテンツのアイデアの一つです。メッセージカードや壁に飾る絵、あるいは3Dプリンター用のデータなどが商品になります。
4. デザインテンプレート
デザインテンプレートの販売では、クリエイティブスキルを活かして収益を上げることができます。一度作ったコンテンツから継続的に収入が得られるのが魅力の一つです。プレゼン資料や企画書、SNS用のデザイン、ウェブサイトのテンプレートなど、ビジネスからクリエイティブな用途まで幅広い需要があります。作ったテンプレートは、SUZURIなどで販売できます。教育用のワークシートや家計簿など、暮らしに役立つテンプレートも人気があります。デザイナーでない方でも、使いやすさを重視した実用的なものを提供することで収益の可能性が広がるため、自宅でお金を稼ぎたいと思っている人にもおすすめです。
5. 写真
プロのカメラマンだけでなく、アマチュアでも自分の撮影した写真を収益化することができます。PIXTAやAdobe Stockなどのストックフォトサービスを通じて、企業の広告やウェブコンテンツ制作用に写真を提供できます。特に需要が高いのはビジネスシーン、風景、食べ物、人物写真です。SNSの普及により、自然な雰囲気の日常的な写真も人気があります。初心者でも気軽に始められる一方で、審査基準が設けられている場合もあります。高解像度で独自の視点で構図の整った写真を撮影し、丁寧な編集を心がけることで、継続的な収入につなげることができます。
6. 音楽
音楽は趣味から収入源へと進化させられる魅力的なデジタルコンテンツです。アマチュアミュージシャンでも自分の演奏や楽曲を世界に向けて発信できます。高音質で録音し、AudiostockやApple Musicなどのプラットフォームにアップロードして販売できます。それと同時に、InstagramやYouTubeなどで自分の演奏をシェアして、ファンを獲得するといいでしょう。ライブストリーミングやバーチャルコンサートを行うことで、ファンとの絆が強まり売り上げにもつながりやすくなります。
7. 音声
オーディオブックやポッドキャスト配信、音声レッスン、ナレーションサービス、瞑想ガイド、睡眠導入のためのささやき声など、音声を活用したデジタルコンテンツの需要は多岐にわたります。stand.fm(スタンドエフエム)のようなユーザーの多い音声配信に特化したプラットフォームを活用することで、多くのリスナーにアプローチできます。最近は自分の声を活かすだけでなく、AI音声技術を活用したCoeFont(コエフォント)などの新しいツールも登場し、より手軽にコンテンツ制作に取り組めます。
8. イラスト、アート
SKIMAなどのプラットフォームでアートをデジタルコンテンツとして販売することもできます。デジタルデータの唯一無二性を証明するNFT(非代替性トークン)により、デジタルアートの価値も確実に守られるようになったため、依頼者の要望に応じて作品を制作するコミッションアートや個性的なオリジナル作品、ロゴデザイン、フォント、商用デザインなど、クリエイティブな制作物を幅広く展開できます。InstagramやPinterest(ピンタレスト)などビジュアルコンテンツに特化したSNSでアート作品について発信することでフォロワーとの関係構築もしやすくなり、購入までの流れを意識することで、継続的な顧客を増やすことができます。
9. デジタルメンバーシップ
クリエイターが視聴者に特典を提供し、月額料金で収益を得るためのシステムです。例えば、YouTubeメンバーシップではメンバー限定の動画やライブ配信、メンバー限定チャット、早期アクセス、オフラインイベントの招待、メンバー限定コミュニティ投稿など、多岐にわたる特典を提供できます。メンバーシップの魅力は視聴者との深い絆を築きながら、安定した収益を得られる点です。例えば、ゲーム実況者の「ポッキー」や心理学の「メンタリストDaiGo」、美容系クリエイターの「B-Flow」など、さまざまなジャンルのクリエイターが視聴者の心をつかみ、有料メンバーシップを通じて収益を上げています。
Squarespaceのデジタルメンバーシップは、サブスクリプション型のコンテンツを提供するためのツールです。ブログ記事、動画、オンラインコースなどのデジタルコンテンツを会員制で提供することにより、専門的な知識や情報を収益化することができますさらに、オンラインコミュニティの機能を活用して、メンバーとの絆を深めながら、収益の基盤を育てていくことができます。
デジタルコンテンツ販売向けのShopifyアプリ8選
- EDP ‑ Easy Digital Products:デジタル商品のアップロードから購入者への配信まで、シンプルな操作で行えます。PDFスタンプやライセンスキーなどの保護機能も充実しており、安全な取引が可能です。(日本語対応なし)
- Filemonk:3つの簡単なステップでデジタルコンテンツを販売できるアプリです。ファイルをアップロードし、商品リストにリンクを設定し、メール配信を有効にするだけで準備完了です。購入者は決済後すぐにデジタルダウンロードに自動でアクセスできます。ダウンロード回数の制限設定や、リスクの高い注文・返金済み注文のアクセス制限、PDFへの透かし設定など、充実した保護機能も備えています。(日本語対応なし)
- Single ‑ Video & Music:Shopifyでオリジナルのオーディオや動画コンテンツを直接販売できるプラットフォームです。ロスレス音源のダウンロード販売、ライブ配信、オンデマンド動画の視聴チケット販売などの収益モデルを組み合わせることができます。また、コンテンツを中心としたメンバーシップコミュニティを構築し、メンバーシップコミュニティを構築してファンと交流もできます。専門チームによる無料の導入サポートを受けることができます。(日本語対応なし)
- SendOwl:注文完了と同時に商品のダウンロードリンクを表示し、購入者はスムーズにデジタルコンテンツを受け取ることができます。PDFスタンプ機能で購入者情報を埋め込むことで不正コピーを防止し、ダウンロードリンクの有効期限や回数制限も設定できます。さらに、売り上げやダウンロード状況を分析できる機能により、データに基づく効果的なマーケティング施策を実現できます。(日本語対応なし)
- 定期購買:サブスクリプション管理アプリで、初回割引や回数割引、送料無料設定など、多彩な販売方法に対応し、商品ページや会員専用ページをカスタマイズすることができます。導入から運営まで、日本人スタッフが丁寧にサポートし、サブスクの事業成長に必要なCVRやLTVの向上に向けた専門的なアドバイスも受けられます。無料トライアルで各機能を確認できるため、安心してサービスを開始することができます。
- LDT Online Courses:コースやコーチングプログラム向けのアプリです。Shopifyテーマとスムーズに連携し、直感的な操作で動画、音声、画像、テストなど、さまざまなコンテンツを組み合わせてオンラインコースを作成できます。受講生一人一人の進捗状況を詳細に管理し、学習状況を正確に把握できます。動画への字幕や透かしの追加、修了証のPDF発行も可能です。受講生は直接ストアからコースにアクセスできるため、購買率の向上が期待できます。(日本語対応)
- Tipo Appointment Booking:Shopifyに最適化されたスケジュールアプリで、予約フォームを自由にカスタマイズでき、予約の種類に応じて管理ができるため、オンラインコーチングやコンサルティングなどに最適です。スタッフのスケジュール管理やGoogleカレンダーとの連携も簡単です。予約フォームでは休日設定や場所、日時の指定はもちろん、デザインの細かな調整も可能です。また、自動リマインダーや予約確認メール、日程変更の通知など、コミュニケーション機能も充実しています(日本語対応なし)。
- 右クリックと国を無効にする:Shopifyストアのコンテンツを無断コピーや不正利用から保護する高度なセキュリティツールです。テキストの選択やコピー&ペースト、画像の保存、ドラッグ&ドロップなどの機能を無効にすることで、オリジナルコンテンツの不正利用を防止します。また、特定の国やVPNからのアクセスをブロックする機能も備えています。ウェブサイト上の各種操作機能に制限を設定し、ストアのコンテンツを不正利用から守ります。
まとめ
デジタルコンテンツ販売はインターネットを通じて販売するため初期費用が低く、在庫の心配もないため個人でも始めやすいのが特徴です。魅力は何といってもコンテンツを一度作成すれば継続的な不労所得につなげられる点です。データは劣化せず、複製も簡単なので、効率的に販売できます。無料コンテンツで集客して、有料会員向けの特別コンテンツを提供する、ライセンス販売を行うなど、さまざまな形で収益を上げることができます。
オンラインコース、電子書籍、デザインテンプレート、写真、音楽、イラストなど、自分の得意分野を活かせるジャンルはたくさんあります。Spotifyの販売プラットフォームを利用すれば、デジタルコンテンツ販売の販路を海外まで広げることも可能です。ネットで稼ぐ第一歩を踏み出してみましょう。
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デジタルコンテンツ販売のよくある質問
デジタルコンテンツ販売ではプラットフォームとECサイトのどちらの方がいい?
「まず気軽に販売を始めてみたい」「できるだけ多くの人に作品を知ってもらいたい」という場合は販売するコンテンツに特化したプラットフォームでの販売がおすすめです。「自分のブランドを大切にしたい」「長期的にファンを増やしていきたい」という場合は自社ECサイトを利用するのがおすすめです。自分の状況や目標に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
デジタルコンテンツを制作する利点は?
間接費が低いこと、利益率が高いこと、販売を自動化できることなどが挙げられます。
デジタルコンテンツ販売のデメリットは?
デジタルコンテンツ販売のデメリットには、広告料などから収入を得ている無料コンテンツと競合すること、またコンテンツの著作権侵害や盗用の恐れがあることなどが挙げられます。
デジタルコンテンツとアナログコンテンツの違いは?
デジタルコンテンツとアナログコンテンツの一番の違いは、手にとることができるか否かです。またデジタルコンテンツにはアナログコンテンツと違い、複製が簡単で、クラウドなどで保存することが可能なため保管場所を必要としないという特徴があります。
文:Asami Miyamoto